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6-19 組織

「あなたの覚悟をみせてくれませんか」

6th-19話「黙示録」


とうとう最終回を迎えてしまいましたseason6。


そのシステムを成り立たせる為に運用し続けていく為には、時にそこに属する人間に己の意に沿わぬ行動を取る事を求められる事がある。それが人間が、自分が生きていくために、自分が「自分以外の人間」と共存する為に生み出した組織というものであり社会というものであり法というものであり、楽になりたければ無神経になりさえすればいい(だからこそ無神経になってはいけない)、という、そういうような話だったのではないかと思いました。

判事にせよ刑事にせよ検事にせよ弁護士にせよ大臣にせよ、皆、それを無視することが出来ず踏みにじる事が出来なかったからが故に苦しみその人生を大きく変えることになった、その、それぞれの人生のかたちが「上から睨まれ飛ばされても正しいと信じた事をする事」であり「出世も望まず部署を移動してでもわずかな可能性にかけて真実を追い求める事」であり「きっかけは自分の意思でなくとも実りが無くとも見捨てず信じた人の為に行動する事」であり、「責任と良心の板ばさみから職を辞する事」だったのではないかと。

彼らのあり方は皆どこか「特命係」に似ていて、が故にそれぞれに訪れた結末から、「特命係」が「特命係」としてあり続けるというのがどれほど困難なものであるかということを思わせられます(シスターだけは特別ですが。「上」の人間であり、職を辞しても「黙示録」の存在を、法務省の不祥事を明らかにする事が出来なかった彼女はどちらかというと立場的には小野田の方に似ているのでしょう。こちらは逆に「小野田には似ていない」事が「上」の人間の特異性を光らせてるわけですが)。

三雲判事の過去と、「人を裁く事」の重さ、その覚悟、その苦しみを一般の人に負担させたくないという裁判員制度に反対する動機は、わりとそのままストレートに「複眼の法廷」での三雲判事の言動から窺えた事を確認するような内容でしたが、だからこそそれが、三雲判事のその後の裁判官としてのあり方を決めた、裁判官としての彼の根源だったのでしょう。右京さんが三雲判事に求めた「覚悟」とは、自身の裁判官としての全てと引き換えに嘗てのその事件の後悔の責任を取る事が出来るかどうか、そういうことなんだと思いました。関係者に恨まれることへの覚悟よりも、もしかするとこういう逃げ出さずに責任を取る覚悟の方が、自分の手で、意思で選択し行わなければならない分つらい事なのかもしれません。

さて、今回の小野田官房長は、積極的に右京さんに事件を解決させる方向で動いていました。そこには色々な小野田の考えがあったんでしょうが、その中でも、どうせ杉下は興味を持って真実を暴くんだろう、だったら不祥事発覚のダメージ具合は警察よりはるかに法務省の方が大きいこの事件で、杉下が不祥事を暴くとどんな事が起きるのかを見せてやろう亀山君に、というあたりはかなり大きかったんじゃないかと思うのでした。それは、「特命係は亀山が動かしている」という事に気がついたという事と、不祥事を暴くならその収拾方法も用意しろよという事を右京さんに求めている事といったあたりが5th-15話「裏切者」から窺える小野田の特命に対する考えだと思うのですが、今後特命係が「活躍」する時、「裏切者」の時のような「後始末」も右京さんに用意させるための、「杉下の正義を暴走」させない、そのための亀山利用への布石なのかなとちらりと思ったりしたのでした。

全くタイプの違う(ながらも根底は同じだという)相手を認め合い、最良の相棒となった組織からのはみ出し者の二人組の「後の世界」の物語、というのはなかなか面白そうで、今はもうとにかく映画や次シーズンが楽しみでしょうがないですよ。最終回もおもしろかったー。


おまけ。

中園参事官涙の記者会見とそれを見て豪快に笑い飛ばす刑事部長&官房長の図はなかなか真っ黒でぞっとしたり。
参事官はバカじゃないと思うので、黒木警部補の努力を訴えるのはごまかしだという事をわかってもいるだろうし、でも刑事部長達ほど黒い人でもないので個人的な黒木警部補への想いというのはあの会見での心情の方に近いんだろうなあと(現実の方の)視聴者にも思わせるナイスキャスティング(笑)だったと思うのですが、この内容での記者会見は参事官にというよりは黒木警部補(死人)に色々と押し付ける形になってたり、それを責めるマスコミの方にも、やり方は強引過ぎるけどこの問題を真剣に冒頭からずっと取材してきた帝都新聞の美和子の後輩君がいたりと、それらをテレビの向こう側から会見を眺める二人の図は、単純に上層部きたねー というだけ以上に、「ありふれた殺人」の時に被害者遺族のお父さんがニュースを消した時のような「他人事になる無常観」溢れるところがたまらんですよ。
そういえば、刑事部長は「まさか」と言ってたんで、錦死刑囚は多分冤罪だろうと法務省が思っている(だから警察に検死を立ち会わせた)ことを知らなかった→だから単にめんどくさい仕事を特命係やらせたのかな?

あ、そうだ。それとあと、三雲判事のこと。
この「黙示録」で三雲判事の地裁での立場を知ってから「複眼の法廷」を見直すと、裁判員制度の試験施行の1回目の裁判の判事になったのは、こちらもひょっとしてめんどくさい(ムダにマスゴミに注目される)仕事を押し付けられた的な所があるのかも、とか想像できたりして面白いです。

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