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『夢の中の魚』

/五條 瑛 (双葉社)

日本を舞台としたスパイ小説で、いくつかの短編が積み重なって1つの物語を形成してるという構成ですが(連作短編集というのかな?)、韓国人スパイと在日朝鮮人であるという主役二人の属性以外にも、どの話にも必ず何らかの形・要素として「韓国」が関わってくる物語です。とはいえ、作中で描かれているのは「韓国」という要素とのかかわりで浮き彫りになる「日本」という国の姿であって、「韓国」の方はどちらかというとおまけ的な存在だなあという印象。こういう、これこれの裏にはこういうことがあって、それを利用して・・・、みたいな話は面白くて大好きです。現代極東アジア情勢を舞台にした話も大好きですし、良かったです。

脇役・端役に至るまでも随分個性的でキャラ立ってるなあと思ったら、この本自体は別のシリーズの脇役が主役をつとめるスピンアウト的な作品なんですか。この本が面白かったので、とりあえずそのシリーズの『プラチナ・ビーズ』買って来ました。そちらもぼちぼち読み進めて行きたいと思います。

収録作のうち、「ここに、眠る」と「腐りかけた林檎の木」が特に好きです。やっぱこう、ストレートに登場人物に対して「良かったなあ」と思えるモノが好きというか(本当はそうそうシンプルに良かったなあで済む話でもなかったりはしてますが)、わが身を振り返えると「GAILA」なんか笑えなかったりしますし。どの話も、リアルにありそうな感じなところが良いんですよ。終盤に近づくにつれて判明してつながっていくそれぞれの事情や要素も実に巧みで、とにかく面白かったです。 
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